レンタル神様

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「どないしたん、そんな浮かない顔して。悪かったなぁ、犬やのぅて。」    ふてくされたような声をした狐が、再び話しかけて来る。  まぁ、夢でも、楽しむとするか。 「あーあ、犬が良かったなああああ」  ちらりと狐の方を見る。  ただでさえ動物の顔なので表情なんて分からないはずなのに、今回はイラついたような顔をしているのが分かった。  面白くなってしまった狛は、もっとからかいたくなった。 「え~でも夢なんだからさー、突然犬に変わるとかさー、もっと出来るんじゃん?」  さっきと同じように、狐を見る。    流石の狐も、怒ったらしい。  綺麗な毛並みを、逆立てて反論する。 「なんやなんや! さっきから黙って聞ぃとったら、やれ犬が良いの犬に変われだの、お前なんなんや! せっかく夢にまで出て来てやってお前の人生に関わる大事な話をするっちゅーに。」    でも、怒る姿は可愛い。これだけ見ても、やっぱり犬を感じさせるのはオオカミに容姿が近いからだろうか?  しかし気になるのは、人生に関わる大事な話、だよな…。  人生に関わる大事な話ってなんだ…? まぁでも、夢を真に受けても埒が明かないだろうし。 「ごめんて。ちょっとからかってみただけ~。狐も、嫌いじゃないヨ☆」  明るく対応する。しかしもちろん、反省などしていない。  その分かりやすい行動に、再び狐もイラっと来たようだ。  しかし、騒がしい関西弁が飛んでくる前に、口を挟む。
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