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花の妖精
幻の花は次々と枯れていってしまった。
だけど、昔からずっと咲いていた花は、なぜか今も元気に育っているのだった。新しく咲いていった花だけは、どんどん枯れていってしまった。
ある日、昔からずっと咲いていた花が、光を放っていた。
村の人たちは、一斉に花の周りに集まった。花の中から、小さな少女がでてきた。
「おお。」
村人たちは息を飲んだ。村人の1人がその少女に尋ねた。
「この幻の花が、どうして枯れているか知っているかい?」
少女は、少し顔を顰めて言った。
「幻の花を沢山咲かせたのも私だし、枯らしたのも私。」
村人たちは驚いた。
「どうしてそんなことしたの?」
そう聞くと、少女は更に顔を顰めて言った。
「私は、あなたたちがこの花をずっと大切にしてくれるのかを確認したくて沢山咲かせたの。あなたたちがこの花を大切にしないから悪いのよ。」
そう言って、少女は消えてしまった。
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