02_この学校ではよくある話

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 「それ以上本気になるのはまずいですよ!警察飛んで来ますよ!」  羽交締めを受け進む足が止められる。  「離せ折坂!こいつら宇宙飛行士になりたいんだってよ!」  「言ってないから!やばい目しながら額に見たことない筋浮かべて何言ってんすか!お前らも早く逃げろ!もう2度と関わるなよ!」  「は、はいぃ」  「あっ、こら!逃げんな!」  俺の呼び止めも虚しく、3人組は地を這いながら逃げ去ってしまった。  くそっ、せめて殴ったやつだけは!あいつだけは一番星に変えてやりたかった!  疲れ切った顔で折坂は額の汗を拭う。  「校内で殺人事件起こすなんて勘弁して下さいよ」  「誰がするかそんなこと。それより俺2発ぶたれてるんだぞ?折坂ならどうするよ?」  「俺ならその場で血祭りですけど」  「同じじゃねーか」  人が激怒している姿を見ると自分は冷静になれる現象か。マジギレしてるじゃんって引いちゃうんだよな。  折坂と喋っている内に怒気は収まった。でも問題はまだ片付いていない。  今しがた逃げた3人組に囲まれていた男子生徒。しかし、恫喝されていた場所に目を向けるも誰もいない。  騒ぎに乗じて逃げたのか。いい判断だなと思った時、  「す、凄い!やっぱり噂通りだ!」  「うわっ!?な、何が!?」  死角から大声が飛んで来た。  男にしては長い髪に黒縁の眼鏡。細身な体付きで学ランではなくワイシャツの上には黒のスクールベスト。  意外と目力があるが、眼鏡と前髪でほとんど目立たない。ただ、ヒーローアクションを見た子供のようにキラキラ輝いていた。
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