5人が本棚に入れています
本棚に追加
須藤の選択は一回目は表、二回目も表、三回目も表。
三回連続表にして七瀬の意表をつく作戦だったようだが、七瀬は全て表を予想している。
ビギナーズラックだ。
滝本はそう思っていた。
四回目も表、五回目は裏。
須藤は五回目で裏を選択したが、七瀬の予想も四回目も表。五回目は裏。
七瀬の見込みは外れない。
六回目は裏、七回目は表、八回目は裏。
須藤はランダムなパターンで表・裏を選択したが、これも全て七瀬の予想と同じ。
ここで滝本は、七瀬を止めさせた。
「七瀬さん。もう良いでしょう。あなたが強いのは分かったから」
滝本は考える。
八回連続で当たる確率は単純計算で約二百五十分の一。
つまり、およそ0.4%だ。
偶然にしては出来すぎている。
滝本は七瀬を予知能力者だと考えてドキドキしていた。
しかし、そうではないとしたら、非常に確率の低いビギナーズラックなのか。
でももし確実に予想できるとしたら、誰かに利用されてしまうだろう。
滝本は気がかりでドキドキした。
そこで、七瀬を自身の船室に帰らせようと思った。
「七瀬さん疲れたでしょう。船室でくつろいでください。明日無人島に着くので、そこでまたお会いしましょう」
「分かったわ。滝本さん、ありがとう」
滝本は、七瀬を船室の前まで送った。
最初のコメントを投稿しよう!