第一章

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第一章

東京湾を出て陸地が少しずつ離れていく。太陽は南西の空で輝いている。 デッキにいた滝本涼吾はアナウンスを聞いた。 「これから、超高速航行に移行します。デッキは危険ですので封鎖いたします。ゲストの皆さまは船内でお過ごしください」 滝本が乗船しているのは、オーストラリア船籍の超高速小型クルーズ船。 行き先はオーストラリア領内にある無人島で、二泊三日の船旅になる。 比較的安価でオーストラリアの無人島に行けるというクルーズである。 無人島で、一週間のんびりと過ごしてリラックスやリフレッシュをする旅だった。
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