私にしかできない愛の方法

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 ふふ。おかしいよね。いつも一緒にいるのに。思いを口にしたとたん、緊張してきた。ほら見て。手もこんなに震えちゃってさ。  ねえ、なんでそんな顔をするの? 私は勇気を出して、告白したんだよ。それに応えてよ。キミを愛してあげられるのは、私にしかできないことなのに。イヤそうな顔をしないで。拒まないでよ。いくらだって甘やかしてあげるから。  自分の記憶をねつ造するな。頼んでもいないのに、おまえが勝手にやってきたこと? いい迷惑だ。おまえのせいで、恋人ともぜんぜんうまくいかない。別れてばかりだ。ストーカー行為もいい加減にしろ?  ははっ。なに言ってるの。キミみたいな男を好きになってあげられるのは、私にしかできないことなんだよ。家事も料理も、もし子供ができたら育児だって完璧にしてみせるわ。  そっかそっか。照れてるんだね。うん。わかるよ。私もすっごく恥ずかしいから。子供ができたらだなんて、つまり、そういうことするって意味だもんね。  え、警察を呼ぶ? ひどい。けど、そんな手足も縛られたまま、どうやって呼ぶつもり? はあー、残念。キミがそんな人間だったなんて思わなかったよ。失望しちゃった。
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