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そうして、いくつもの日が進んだある日。
ワタシは『メ』を出した。
土一色から、外の世界へ。
最初に見えたのは、小綺麗でセンス抜群な空間。あの人の部屋だとすぐに分かった。
「ようやく出てきたね」
あの人が声をかけてくれた。
土に埋められた日と同じ、優しい表情だった。それが無性に嬉しかった。
それから毎日のように水をかけられた。ワタシが潤うと、あの人も嬉しそうだった。
ワタシも嬉しかった。
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