思わぬハプニング

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思わぬハプニング

 豚バラ肉と、鶏ももの挽き肉を籠にいれた敏子は、精肉コーナーを抜け、乳飲料コーナーの手前で、お菓子の置いてある通路へと入って行った。両側にそびえ立つ陳列棚には、スナック菓子やチョコレートなどが並ぶ。 「戦士ちゃんたちのタイムに、差し入れでもしてあげようかしら」と言って、チョコレートの棚を物色した。戦士ちゃんとは、五人の美少女戦士のことである。彼女らはまだ十代の若い娘なのだ。敏子は気になる商品を手に取った。 「ブラックヨンダー? 美味しそうなチョコね」籠に入れ、次の商品を手に取る。 「ラッキーターン。これは美味しいのよね」籠に入れる。 「ロ・マンド。ボロボロこぼれ易いけど、これも買っていこう」  最後に、綴りになっているラムネを籠に入れた敏子は、通路を戻ることはせず、そのままレジのある開けたエリアへと抜け出た。ちょうどその時、右肘に掛けていた鞄の角が、展示ディスプレイ代わりに、ピラミッド状に積み上げてあった箱入りのお菓子に当たってしまった。不安定な積み方がしてあった箱は、瞬く間に崩れた。 「あちゃ~。やっちゃった。私ってばドジだなぁ」
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