詩:1

1/1
前へ
/8ページ
次へ

詩:1

物語の最果てには詩があるとよく言われますが。 (少なくともワタクシの中では誰かがそう述べておりましたの、の、の、ののの) どだい詩の世界は、往来する定式とエロスと諸々の時代が絡まり合って、十字路にしっちゃかめっちゃかに足をかけておりました。およそ歩むべき靴ではありませんと、常常思って。 ワタクシの視界ではそれは禁じ手のようなものでありまして。水の上に油を浮かべるような。虹色のでらでらじみた所業でございました。 とかく詩とは純粋なエモーションの乱立であるべきでして。それだのにこうして文字、という形に、落とす中で。そこに。。。 ex. 表現の技法。欺瞞、所在なさ。批判のスフィンクスのアップ。 懸想するスタイル、誰かの顔は。 アブラカタブラ。壮大な叙事詩が、ちらついてしまいますもので。 創作における舞台にて詩作を掲げて。布団の中の自分の温度を繰り返して。次第に乾涸びていく感情を掘ったとて。常にそいつは漠として、くるまっております。嗚呼、嗚呼。 なんてなんてなんて。なんて。なんてなんて。 間を抜ける風の音で、切り替えようとする改行。 (こんなスイッチは低俗、低俗!) やあやあ。随分と持って回って。ほれ、蛇口、地方都市の空気。クラクション、最前線の少年少女。髪飾り、煌めいた糸、昔話。かかかと笑うて、ほうほうの体で形作りまする。 かくして、詩ともなれず、形の崩れた説明文たる我々はこうしてあなた様の目の先にぞろぞろと並んでおります。 愛してくだされ。 いや、愛さないで下され。 (ここから先、しばらく彼らはお互いを否定し、肯定し、遂には梯子をかけて液晶の上を逃げようとするが、夏至の日でもないので逃げきれなかった) ワタクシ「こうして」 この文字列は消される為に生まれて。生まれたあなたの視点は騙される為にここにいる。 ここは消える為に。でも寂しくないように。 ほら、どうぞ笑って。剥き出しのワタクシを これからもずっと、しばらくは。 ここは消える為の場所。予約されて
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加