詩:2

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詩:2

療養めいた分析について 空洞の物語をあれこれ考える前に、概ね文字は滑り出していて。帳尻を合わせる為の工程は逆巻でやってくる。 ボーイミーツガールが湯水の如く湧き出でて。運命論とオンリーワンとラブを持ち出して、キャンバスを暖色に染める。 愛している、という表現を放射状に拡散させて、その煌めきが読者の視線を一瞬横切るように角度をつける。 手癖のような作劇である。 時代の堆積の中で、いずれそれは洗練されるか、ルーチンとして失われると見立てていたが。中々どうして、そのどちらにもならず。 蜘蛛の如く宙ぶらりんで踊っていた。 錯覚をもたらしつつ、圧縮された広告漫画のように。決まるべき筋道を立てて、それから訴求するのが良いだろうに。 アナタはそれを許してはくれず、ワタクシは視界を失い辿る道もない。 だから、その天使通る隙間にぽんと詩が生まれる。 詩に適切な構文はない。感覚が文字という拡張機能を有した現象でしかない。 なので、何でも良い。ワタクシはこれを詩と嘯く。 違うというのなら、以下のように。 いちめんのなのはな。 いちめんのなのはな。 いちめんのなのはな。 いちめんのなのはなだって咲かせて見せましょう。 これからは、ここを訪れるときには親御さんとくるようにね、お坊ちゃん。 睡魔の警戒するまでに。ワタクシの彼我はもう
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