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そう言って一紫はいつも二人で座っていた池のほとりのベンチに私を誘った。途中で今の足の長さに慣れない私がつまづいたら手を差し伸べてくれたり、ガラの悪そうな男性達がいたら私を遠ざけてくれたりと優しくエスコートしてくれながら。なんだか別れを告げた時の彼だけが別人だったように感じた。
「学生時代、俺には仲の良い友人がいた。超がつくほど真面目な彼には彼女がいて全力で愛していた。」
何の話だろう、と思いつつ黙って聞くことにする。
「でも彼女は彼の気持ちが重かったそうで俺によく相談してきた。そのうち彼女は俺のことが好きになったからと友人に別れを告げた。まさに晴天の霹靂だった。」
漫画とかでありそうな展開だ。
「怒り狂った友人は俺に呪いをかけた。」
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