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それから週末になると私は例の温泉に出かけ一紫から身長をレンタルし本来の彼と濃厚な3時間を過ごしタイムリミットが近づくと二人でお風呂に入り別れた。
同時に私達はあらゆる手を使ってあのおばあさんか彼の友人とコンタクトをとろうとした。温泉の秘密も調べようと潜ってみたり聞き込みをしたりした。
けれど結局何もわからないまま1年が経った。
「・・・このまま週末婚・・・なんて無理かな。」
一紫の家のお風呂で後ろから抱きしめられながら残り少ない二人の時間を惜しんでいる時、思わず願望が言葉となり漏れてしまった。一緒にいればいるほど彼を求める気持ちが強くなり苦しかった。短時間しか一緒にいられなくてもその他の時間彼が他の女性達といても法的に繋がっていれば少しは気持ちが楽になると思った。
「俺だって舞白と結婚できたらって舞白よりもずっと強く思ってる。でも俺は今だって複数の女性と関係を持ってる。そんな男と結婚なんてしちゃ駄目だ。」
「でも私、もう一紫以外愛せないよ・・・。」
一紫の腕に顔を埋めると彼は私を思いきり引き離した。驚いて振り向くとその瞳に強い決意が見えた。
「別れよう。」
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