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「ここには誰も来れないはずだ・・・おばあ様が何かしたのか?」
そこへ『あれ?女の子がいる?』と快活な声が聞こえザブザブと誰かがやって来た。背の高い女性だった。
「ここで他の人に会ったの初めてだよ!この時間に来たことないもんね。」
「君、ただ浸かりに来てるだけか?それとも・・・。」
男性は知り合いであろう女性の方を見ずに追求してくる。アイドル並みにイケメンなのだけれど圧が怖い。
本当の事を言っていいのだろうかと思いつつ『私は・・・』と言いかけたところで扉が開く音がした。そちらに顔を向けると今度こそ一紫だった。術にかかっている状態の為、あやつり人形のようだ。
「まさか・・・っ。」
男性が口を開いて固まった。一紫はしばらくすると元の彼に戻り私に気づき、近くにいる男性を見て一瞬で険しい顔つきになった。
「俺の大切な舞白に近づくな!見るな!」
彼はそう言いながらこちらまで来ると私を自分の後ろに隠す。
「一紫、どうしてここに?おばあ様に聞いたのか?」
「ああ。レンタル身長を成立させると制限時間つきで元に戻れるようにしてくれた。俺の呪いを解いてもらおう。」
───呪い?もしかしてこの人が例の友人?
「あれ?身長変わってないんだけど?」
緊迫した雰囲気の中女性が言ったので自分の腕を確認する。確かに元のままだ。
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