罰と媚薬

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 (あらわ)になった僕の胸にユリウスが指先を滑らせる。途端、雷に打たれたような痺れが脳を貫いた。 「ああぁっ……んっ!」  逃げられない。暴れるほど革紐が肌に食い込む。せめてこの拘束を解いてほしい。  顔を上げると、熱のないユリウスの顔が視界の中に滲んだ。 「……そんな媚びるような目をしても、どれだけ泣こうが喚こうが、今日は無駄だよ。いままで何だってルイの言う通りにしてきたけど、今日だけは絶対にルイの思い通りにはならない」  激怒するユリウスの姿はこれまで何度か見たことはあった。だけどその怒りが自分に向けられたことは一度もなかったのだ。  初めてユリウスを本気で怒らせた。怒りのあまり感情を失った声を聞くのが辛い。怒鳴りつけられた方がずっとましだった。  ユリウスの舌がじっとりと肌を這う。その感触に刺激され、下腹部に熱の塊が暴れ狂った。一瞬のうちに破裂寸前まで追い込まれる。 「……ユリウスっ……お願い、もう、ダメ……いかせてっ……!」 「早い。まだ何もしてない」 「……もう、夜……の会議、が……はじまる、から……お願い、早く」 「こんなときにまで会議の心配? 本当に立派なル・グラン(大王)になったね、ルイは」  ユリウスの手がズボンの上を滑る。先端に触れた瞬間に、爆発した。 「ああっっ……」  達したはずなのに熱が引かない。びくびくと、腹の奥が引き攣るように痙攣する。身体の芯が(うず)いて、ひとりではどうにもならない。  もっと強く触ってほしい。奥深くまで入って、解放して欲しい。こんなふうに抱かれたくないのに。
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