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甘〜いひと休み【ユリウス】
今日からレミは、地方のようすを知るために、教育係たちと十日間の国内巡りの旅に出た。
久しぶりにルイとふたりでゆっくり時間が取れる。というわけで、明日の予定をすべてキャンセルし、今夜はルイと思う存分イチャつくことにした。
「ということでルーたん、またこれ試してみない?」
戸棚から例の媚薬の小瓶を取り出すと、ルイは怯えた子猫の目をした。
「えっ、嫌だ! あれ本当に酷かったんだから! 全身が性感帯みたいになって……」
あのときのルイは史上最高にエロかった。
加虐心丸出しにしたのは反省しているけれど、涙目で際限なく欲しがるルイのいやらしさと言ったらもう――
「それじゃあ今度は、ユーリが自分で飲んでみればいいでしょ!」
「飲んでもいいけど、ルルが朝までぜんぶ受け止めてくれるんだよね?」
ルイが耳の先まで真っ赤にして、言葉を詰まらせる。
この五年でルイの白い手足はすらりと伸び、真っ直ぐな金の髪は腰に届くほどになった。俺がルイの髪が好きだから、切らないでほしいとお願いしたのだ。
おかげでいまでは、女神に見紛うほどの神々しさ。天使や小悪魔どころの話じゃない、もはやこの世のエロスの頂点、麗しき愛の大女神。
「じゃ、じゃあ……ふたりで一緒に飲むなら、いいよ」
そしてルイのエロへの積極性は、神々しいほどに健在だ。
服を脱ぎ、ベッドの上で向かい合う。媚薬を口に含んだまま、ルイとくちづけを交わした。
互いの舌のあいだに、甘ったるい液体が絡み合う。すぐにびりびりと口内が痺れはじめた。ごくりと飲み込むと、喉が灼けつくように熱い。
「……んっ、やっぱりこの薬、ほんとにヤバい」
さっそくルイが吐息混じりの甘い声を出す。
心臓が暴走をはじめる。血液がどくどくと沸騰し、じっとしていられないほどの痺れが全身を駆け抜けた。
(まさかこれで心臓止まったりしないよな。まあ、ルイとやってる最中に死ねたら本望ですけど)
呼吸の早まったルイの胸の突起を指先でつまむ。あぁん、と甘い声を上げ、ルイの細い腰がしなった。
ああもう、何でこんなにいちいちエロいんだろう。天然でこれだもんな。俺がそばにいて本当によかった。そうでなきゃ、絶対にいまごろ悪い奴の餌食になってたはず。
(――悪い奴。俺か)
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