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「ほらぁ……ユーリが、バカ、だから……ああんっ、そこはダメ……っ!」
ルイが腰を引き、俺の胸を押しやる。逃げようとする腰に手を回し、もう一度引き寄せた。
「……ちょっと、逃げないで。ぜんぶ受け止めるって言ったじゃん」
汗ばんだその首筋と、長い髪のあいだに顔を埋める。
「ああ可愛い。可愛すぎて死にそう。この世で一番、ルルが可愛い」
「……んっ、もう無理っ……囁くの、禁止」
ルイの蕩けた甘い声が、耳元にこぼれる。
「だって……この体勢から、動けない。冗談じゃなく、死ぬ」
「あっ、ダメ……息、吐かないで。もう、限界っ……」
ルイの熱い吐息が、俺の耳の奥をビリビリと刺激する。
ルイと出会った瞬間から、俺の退屈だった人生は、嘘みたいに薔薇色に染まってしまった。
この手の中にある存在が、可愛い過ぎて、愛おし過ぎて、ずっと甘い酔いが冷めない。恋は盲目というけれど、これほどまでルイしか見えない俺は、やっぱり頭がおかしいのだろうか。
ゆっくりと前後に動きはじめる。ルイは猫のように高く喘ぎ、いやいやするように首を振った。
「あぁんっ……ユーリぃ。……信じられない、くらい……、気持ちいい。……はぁっ……何これ、もう、怖いぃ……」
「ルーたん……、俺もちょっと、これは……ヤバい、と思うわ……今日で、最後にしよ?」
ぐずぐずと顔を真っ赤にして、ルイが俺に腕を伸ばす。その可愛い頭を抱え込んだ。
幸せだ。
何ひとつ失いたくない。
この世のすべてを捧げても構わない。
「愛してるよ」
耳元で、甘い吐息混じりにルイが笑う。
「……僕も、ユリウスだけだよ」
「もしまた迷うことでもあれば、誰の目にも届かないように地下牢に監禁するから覚えといて」
「ほんとにもう、バカばかり言って……あっ、いやっ……急に動かないで、ってばぁ……んっ」
ルイが快楽に身をよじる。限界まで昂った熱が引かない。息をつく暇もなく、甘い陶酔の渦にふたりで溺れる。
俺の、ただひとりのルイ・ル・グラン。世界一愛しい君に、すべての愛を誓うよ。
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