Cry Baby Cry

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 ベッドの上で果林ちゃんは長い脚をじたばたさせて喜んだ。 「しーちゃん。エロくて良い声してる。今度わたしじゃなくて、しーちゃんが歌おうよ」  果林ちゃんはBLマンガの気に入ったシーンを僕に朗読させた。  気に入ったセリフを。  果林ちゃんが気に入るのは、線の細いテイストの絵のマンガで、朗読させるセリフは決まって告白のシーンだった。  くらくらする。  好きだって。  好きだから、反応しないはずの身体が君に反応しちゃって、疼いて、止められないって。  こんなに身体が熱くなっちゃうのは君のせいだって。  突然果林ちゃんが立ち上がった。  ベッドから出て僕の楽器部屋に入っていった。  どうしよう。気が付かれたかな。  もう完全に僕、オスに入っているんだけど。なんていうか、ギアが。  四角い重そうな箱を手に、果林ちゃんは戻ってきた。 「やっぱりあっちの部屋は寒い」  ばふっとベッドに飛び乗って、僕に抱きついた。 「しーちゃん。あったかい。しーちゃんってほんと良い匂い。ね。しよ」  このときの『しよ』を、後々僕はオカズにさせてもらいました。  それぐらいは、ね。  許されるよね。
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