53人が本棚に入れています
本棚に追加
/14ページ
果林ちゃんは僕の使ってる小瓶を持って戻ってきた。
バニラとキャラメルの甘い匂い。
「気に入ったならあげる。それ」
えー、いいの? と果林ちゃんが顔を輝かせる。
クールな果林ちゃんが甘ったるい匂いをさせてたら、また変な男が寄って来ちゃうかな。
三神くんには絶対に見抜かれる。
何? それマーキング? って。
「おそろいっていいね。すごい。女子っぽい。しーちゃんとおそろいだ」
そうだよ。果林ちゃん。
べたべたに仲良しになろう。
僕はこのときに選んだ。
果林ちゃんとセックスするより、果林ちゃんの女友達になることを。僕は選ぶよ。
女の子に生まれたなら、果林ちゃんみたいに生まれたかった。
頭が小さくて手脚が長くて、男の子みたいな女の子に。
Cry Baby Cry !
《 完 》
最初のコメントを投稿しよう!