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 大人数の飲み会、久しぶりだな。  端っこの席で壁に寄りかかりながら、にぎやかな宴会場を眺めて微笑む。  こういう雰囲気も、やっぱり楽しいな。  隣に座る田所さんが、私の真似をして壁に寄りかかった。美少年に見える34歳が熱燗を飲んでいる光景に、脳がアハ体験しそうになる。 「田所さん、熱燗なんですね。」 「はい。どこで誰と飲んでも、意外だと言われます。」 「分かります。美少年と熱燗。」 「美中年と熱燗です。」 普通に訂正されて、吹き出してしまう。 「初めて熱燗を飲んだのはハタチの時なので、ギリギリ美少年と熱燗だったかもしれません。誕生日の夜に、家族で食事に行って・・・」  田所美中年の止まらない話が始まったので、私は微笑んで、”聞きの体制”に入ることにする。ちゃんと聞いていなくても田所さんは気にしないので、聞いたり、ぼんやりしたり、他のことを考えたりして過ごす。時々、相槌を打ったり質問をしたりすると、田所さんは律儀に頷いて、また話を始める。
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