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田所さんが私を見つめ、私も田所さんを見つめ返す。
「中野さんが通っている教室や、学んだ学問があれば僕もそれを習得しようと思いましたが、特段そういうことではないんですよね?」
「そう、ですね。」
「ということは、やはり湊さんでしょうか?」
「はい?」
「湊さんで鍛え上げられたスキルなんでしょうか?」
「いや・・・どう、でしょう?湊さんは無口ですけど、普通に話しやすいし、優しいので、コミュニケーションは取りやすい方だと思いますけど。」
「でも、他の営業補佐の方は湊さんの前ではたじろぐと伺いました。」
「あぁ、そんな話もありますね。」
「一度、湊さんと食事に行きたいのですが、よろしいですか?」
「えっ!えーっと・・私は構いませんが・・・。」
「良かった。では、そうさせていただきます。」
田所さんが会釈をして、スタスタと帰っていく。
なんだろう、この不思議な展開・・・。
首を捻った後、慌てて田所さんを追いかけた。
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