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「とりあえず今度餃子パーティーしよ」
「……どっちの家で?」
「今住んでるとこマイちゃん家だからなー。マイちゃんがいてもいいならウチでいいけど」
「それ、おまえん家って言わない」
「じゃあガブの家しかないじゃん」
「……そうだな」
「次は逃げるなよ」
「……ああ」
「約束だかんな、大天使ガブリエル」
「……ああ」
「いや、いいのかよそれで」
あくるはバシッとこちらの肩を叩いた。
それからあくるは餃子を買ったあと、「また連絡するわ~」と手を振って帰っていった。
家に帰ると、早速あくるからメッセージが届いていた。『いつ空いてる?』とあの頃と変わらないメッセージにドギマギする。
餃子を火にかけながら、なんて返そうか俺は必死に考えた。
あくるは俺のことを、きっと友達以上には見ていない。わかっているからこそ辛かった。でもあくるに会えて喜んでいる自分を、俺はもう無視できそうになかった。
文面を親指でタップしては消し、消しては新しい文字を打つ。フライパンの中で焼ける音が遠い。
皿に盛った餃子は、ちょっと焦げていた。
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