秘書として

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秘書として

*** 片山千咲様 先日はお忙しい中、弊社にお越しいただきまして、ありがとうございました。 さて、慎重に選考を重ねました結果、今回については採用を見送りとさせていただくこととなりました。 末筆ながら、片山様の今後のご活躍をお祈り申し上げます。 *** 「はぁー」 パタンとノートパソコンを閉じる。 もう何度目のお祈りメールだろう。 何社受けたかなんて数えるのも飽きた。 この会社だって、こんなに丁寧なメールをしてくるくせに、面接では酷いものだった。 『うーん、君ねぇ、うちの会社で何ができるのかなぁ?これといって資格も持ってないみたいだし。秘書検定二級ねぇ。うちでは使えないよねぇ』 それに対してどう答えたか、覚えていない。 そんな風に批判するならば、書類選考の時点で落としてくれればよかったのに。なぜ面接に来いと言ったのか、そっちの方を聞きたいものだ。 「はぁー」 私は何度目かもわからないため息をついて机に突っ伏す。 これでもう選考中の会社はなくなってしまった。 働くためにはまた求人情報を吟味して、エントリーをしなくてはいけない。 正直、まいってる。 就職が決まってないのは私だけなんじゃないかな。ていうか、就職できる気がしない。
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