遥かなる故郷は宇宙

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 深夜を回った頃、スカイは短い眠りから目覚めた。作業着に着替えてドックへ行くと、マクタとボロン、ユウが作業をしていた。  夕食の時に、スカイはユウにも基地を出るつもりだと話していた。自分がいなくなった時、エースパイロットとしてこの基地を守っていってもらわなければならない。そのことを伝えておきたかった。  ユウはスカイと同じ年齢だったが、スカイを尊敬し、慕ってもいた。それを知っていたから、ユウがスカイのF104の整備を手伝いたいと言ったとき、スカイには止めることができなかった。明日も出撃しなければならないかもしれない。だから本来なら十分な休息を取らせるべきなのだが。 「ユウ、もう休め!」  F104のコックピットへと通じるブリッジの上から、スカイは頭上の男たちに声をかけた。 「はい」  ユウは身のこなしも軽くスカイの前に跳び下りた。 「ありがとう、助かった」  スカイがユウに声をかける。 「いえ」 「明日も出撃しなければならないかもしれない。十分な休息を取っておけ。中途半端な事をしていれば、死ぬぞ」 「はい。分かりました。失礼しまず」  ユウは敬礼をしてその場を離れた。  スカイはその後ろ姿を見送ってから、マクタとボロンのいるFマシーンの肩の部分に上った。 「あとどれくらいかかる?」 「あら方終わった。細かなチェックをして、外装を取り付けて。せいぜい二時間ってところだ」 「じゃ、暗いうちに出られるな」 「今何時だ?」  油まみれで何時間もぶっ通しで働いていた二人には時間の感覚がなくなっていた。 「二時になる」 「さっさと片付けてベッドに飛び込もうぜ」  マクタは相棒のボロンに言った。無口で無表情のボロンが珍しくニッと笑って応える。 「俺も手伝う」  スカイが言った。 「出発の用意はいいのか?」 「104が仕上がれば、いつでも出られるよ」 「それじゃ、こき使わせてもらうか」  マクタは楽しそうに言った。
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