美味しいご飯は、二人を混ぜ合わせる

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「今日もうまそー」  そう言いながら手を伸ばした先は、やっぱり味噌汁。ちらりと陽の方に目を向ければ、同じく味噌汁のお椀を持っている。選ぶ順番も一緒。  どんどん俺と陽の境界線が薄くなっていく気がする。 「今日の出来も最高」 「うん、うまい! いつもありがとう」 「どういたしまして」  厚揚げを頬張れば、じゅわりと染み出した油が身体に染み込んでいく。好きだから、という理由で陽が居ない日の朝ごはんも、お弁当もほぼ三食毎日作ってくれている。  俺の体はほぼ陽が作っていると言っても過言ではない。だからこそ、考え方が似てきたのかも知れない。 「で、どうしてそういう考えに至ったわけ?」  サーモンのなめろうを一口頬張ってから、俺を指差す。俺も同じくサーモンのなめろうを一口頬張ってから話そうとすれば、ついついご飯をかきこんでいた。味噌味をほんのり柔らかく仕上げる卵黄。最高の組み合わせに、話すどころじゃなくご飯がどんどん減っていく。 「あ、ごめ、つい。とりあえず飯、おかわりしてくる」 「満足するまでどうぞ」  軽く笑ってから陽はゆったりと食べ続けていた。
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