第1話

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「はい、結構ホームルームが早く終わったので」 間違えた、天使じゃなかった。いや、天使なんだけど…。水戸遥先輩は今日も綺麗だ。彼がにこりと小首を傾げて微笑めば、柔らかな茶髪がさらりと揺れる。 ああもう、本当に可愛い。 「今日、どこ撮りに行こっか?」 リュックサックからカメラのケースを取り出す遥先輩。俺もカメラを取り出して 「遥先輩の行きたいところでいいですよ」 と、いつも通りの答えを返す。遥先輩は一際無邪気に破顔し、 「じゃあねぇ」 と楽しそうな声を上げた。 「あの場所、行こうよ!僕と葉樹くんが、最初に会った場所。」
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