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どこまでも青い空。 風に揺られ、サワサワと静かに音を立てる木々。 地面を啄む小鳥達。 そんな自然のなかにポツンと建っている、学園がある。 日本人なら誰でも知っている超名門男子校だ。 そこに通うのは大企業の息子やら、由緒正しき家の長男やら。 そのため学園はとても広く、校舎も、寮も門もとても大きく豪華である。設備も充実。 そんな「日王堂学園」の校舎から出てくる男が一人。 彼の名は和泉 氷雨(いずみ ひさめ)。 伝統ある日王堂学園生徒会の副会長である。 白い肌、他者を見下すような冷たい切れ長の目。染めたことのない、艶やかな黒髪。 成績優秀、品行方正。誰にも媚びず、笑顔を見たものはいない。通称「氷の華」。 そんな彼が何故教室では授業が行われているにも関わらず、校舎からでて、校門へ向かっているかと言うと、本日、この学園に季節外れの転校生が来るからである。 日常を乱す「転校生」というものを学園はあまり歓迎していない。学園生活にもなれ、緩んだ生活に刺激を与えるために留学生などを迎えることもあるが、「転校生」というのはこの学園創立から20年、初。 学園初の転校生、山奥の学園ということもあり、生徒会役員が校門に迎えに行くこととなったのだ。役員は殆どの者が転校生に興味を持ち行きたがったが、学園のメンツを潰す可能性を重視し、彼が行くことに。 そんなイレギュラーな日常から始まる、物語である。
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