1

2/7
前へ
/8ページ
次へ
今日は記念すべき、王道学園物語始まりの日である。副会長になり、転校生に惚れたふりをし物語を間近で楽しむ…三年前に建てた計画が着々と順調に進んでいることに安堵。 まずは早く校門に行かねば。先に転校生が着いてしまい、そのまま俺ではなくその辺の腐男子やら総長やらにぶつかって非王道が始まってしまっては困る。非王道をも好きだが、やはり王道が見たい。 ふぅ…どうにか転校生が着くまでに校門にこれたようだ。そのうち転校生が上から降ってきて俺を押し倒すのだが。 ん、ちょっと待て?ここの門の高さは約十メートル。その高さを登れる運動神経はきっと暴走族総長の転校生が持っていると思うが、十メートルから飛び降りたら相当な速さになる。それが俺にぶつかるのか?危険すぎやしないか? それに、上から落ちてきて、ぶつかるとしたら頭だ。頭は人体のなかで弱い場所。やはり危険。プラス、頭にぶつかって、押し倒すような倒れかたをするというのは無理があるような気もする。 まぁ、物語補正でどうにかなるんだろう。そう信じる。転校生が副会長を病院送りにして物語が始まるなんてそんな物騒な非王道見たくない。 やっぱ頭にぶつかるのは怖い、普通に。 頭を守るしかないか。 屈んで足の間に頭を入れて腕を乗せる。 完全防備、準備完了。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

70人が本棚に入れています
本棚に追加