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まぁ、カフェで出しても別におかしくないか。 他に何があるのだろうとメニューを捲った時、すっとテーブルにお冷とおしぼりが置かれた。面を上げる。 「お決まりですか?」 ちょっと緊張している様な、固さのあるでも可愛らしい声で聞かれた。 黒髪ショートの色白の女の子。短く揃えた前髪から見える眉が意志の強そうな印象を与える。白いシャツにネイビーのカフェエプロン。デニムのスキニーパンツが華奢に脚によく似合う。 ウエイター君も若かったけど、こちらの子は明らかに十代に見える。 高校生くらい……? 「お客様……?」 女の子に見惚れていた私は、その声ではっと我に返った。そうだ、注文! 「えーと、えーと、何に……あ、そうだった! パンケーキ!」 注文を控えようとメモを握った女の子がきょとんとする。 「あれ、下にパンケーキ有りますって書いてあったんですけど」
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