君がくれた笑顔はナミダの味がした

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「うわっ、こわっ。雪女スマイルじゃん」  誰かが私の顔を見てそう言った。ああ、やっぱりすごい引き攣ったんだろうなあ、あーあ。 「おい、そう言うのやめろよお前ら」 「だって、甲本」 「雪村さん、気にしないでね」 「は、はい」  申し訳なさそうに甲本君はそう言うけれど、結構辛い。  雪村愛莉高校一年生。全く友達はいません。かろうじていた幼稚園からの友達とは別の高校に進み、完全独りです。  高校に進んだら友達を作るぞと意気込んでいたのは、一ヶ月前の入学式の頃。結局うまく行かずに、今に至る。
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