君がくれた笑顔はナミダの味がした

4/24
前へ
/24ページ
次へ
「可愛いよー可愛いよーあー猫ちゃん最高」  我ながら甘ったるい声を出して猫をスリスリする。もふもふの毛並みに癒される時間は何事にも変え難い。 「あれ、雪村さん?」  すると聞きなれた声がした。 「甲本君。どうしてここに?」  私服姿の甲本君がそこにいた。え。今の見られた!? 見られた!? きゃあああ。恥ずかしすぎるんだけど。なんとなく気まずそうな甲本君は私を見て微笑んだ。 「猫、好きなの?」 「うん。甲本君も?」 「好きだけど、俺はここの客じゃないよ」 「え? どう言う事?」 「ここ。俺の家。猫カフェも、占いも、俺の両親がやってるんだよ」 「え?」 「知らなかった?」 「ええええええええ!?」  絶叫する私。嘘でしょ!? ここ、中学生の頃から通ってたよ!? かなりの常連だよ!? お小遣いはほぼここに来ることに費やしてきたレベルだよ!?
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加