君がくれた笑顔はナミダの味がした

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「言いづらかったんだけどね。隠したままいるのも気まずいし」 「今も十分気まずいよ!」 「本当、黙っててごめん」  平謝りをする甲本君。いや、悪いことはどっちもしてないんだけど!  大混乱する私の頭。何。今までの行動たまに見られてた上に、暇人あのがバレバレだったって事じゃん。友達本気でいないのバレバレ。クラスの中心人物にそれって……甲本君はそれを言いふらす人じゃないのは知ってるけれど。 「雪村さんって人見知りで悩んでる?」 「え? どうしてそれを」 「いや。見ればわか……そんな気がして……」  おーい。なんで目を逸らすんですか甲本君。私は首を傾げながら甲本君をじっと見る。 「私、人前で笑えないの。うまく気軽に喋れないの。昔からなんだけどね」 「そっかあ。ならいい方法があるよ」  ニコニコと甲本君。でも、目は笑ってない。
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