君がくれた笑顔はナミダの味がした

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「え?」 「雪村さんに笑顔をレンタルしてあげる」 「笑顔を? どういう事?」 「ここは占いのお店でもあるのは知ってるよね」 「うん」  それも結構人気の。雑誌にも掲載されるレベルの人気店。 「そこで、おまじないグッズ売ってて、その試作品貸してあげるよ」 「え? いいの? 高いんじゃないの?」  壊したら弁償とかそういうのなんじゃ。私、お金ないよ? 「そんなことは気にしないで。使ってもらいたいだけだから。この猫のビレスレット、可愛いでしょ」 「あ、可愛い」  小さめのラベンダーやピンクのパワーストーンが黒猫の周りについたブレスレットを私は渡される。ヒモはカラフルなゴムだ。キラキラして可愛いそのブレスレットに私は釘付けになった。欲しい。可愛い。もう一目惚れである。セーラー服によく似合いそうなデザインなのもいい。
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