第2話 友達

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翌日、また朝の挨拶をしてくれた。 昨日と同じようにすごした。 でも、昼食の時は、彼は来なかった。 僕が酷いことを言ってしまったからだ。 今日、もしまた、一緒に帰ってくれるなら、昨日のことを謝ろう。 そう思った。 下校の時間になり、荷物をまとめる。 彼の席を見るが、彼は既にいなかった。 僕は謝れなかったことを残念に思い、また明日謝ろうと思った。 鞄を持って教室を出ようとしたとき、女子二人に呼び止められた。 「ねぇねぇ、今日は望田と帰んないの?」 「え、えっと、、」 「望田、部活あるからねー。遅くなるっしょ。」 「そっ、そっか。」 彼がバスケ部に入ったことを思い出した。 「じゃあさじゃあさ、あちしたちと帰んない?」 「…え?」 「そ、そ、せっかくなら親睦を深めようって話。」 それからは流れで、女子二人と変えることになった。 すごく緊張した。 何より話についていけない。 家が近くてよかったと思った。 「川添くんの家めっちゃ近いじゃん。」 「…そ、そうだね。」 「んじゃ、また明日ね〜。」 「ま、またあした、、」 手を振り返す。 やっぱり人といるのは疲れる。 僕は、彼とすごしている時は疲れないことを改めて不思議に思った。 彼が僕に合わせてくれていることも自覚する。 そんなことを考えながら家へ入る。
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