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2話
ある日。拓哉が、近所の公園に行くと、自分と同い年くらいの子達が鬼ごっこをしていました。
「……あの、ぼくも、一緒に混ぜてくれないかな?」
拓哉が、恐る恐る頼むと、その子達は、にっこり笑って「良いよ!」と、手招きしました。ほっとした拓哉が、混ざろうとすると、それを見たお母さん達が、突然大声をあげました。
「ダメよ! あなたみたいな薄汚い子がいたら、この子達にバイキンが移るでしょう!」
「さあ。みんなも、早くむこうに行くわよ」
お母さん達は、震えている拓哉を睨むと、子供達の手を引いて、さっさと公園を出ていきました。
あたりがまっ暗になり、拓哉がアパートに帰ると、居間のテーブルに、おにぎりが2個と小さなメモが置かれていました。メモには、お母さんが、仕事で遅くなることが書かれていました。
「………一個は、お母さんに残しておこう」
拓哉は、おにぎりを一個取ると、もぐもぐと食べ始めました。けれども、涙が、ボロボロとこぼれ落ちて、なかなか上手く飲み込めません。
「……僕が、産まれてきちゃいけない子だから、誰も遊んでくれないの? それなら、なんで、なんで、僕は産まれてきたんだろう……」
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