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理想の家族2
昼休み、午前の授業も終えてお腹が空く時間。
僕はいつも仲の良い友達と教室でご飯を食べる。
「お、お前また弁当作ってもらってんじゃん。いいな~」
友達の裕介が、僕が鞄から出したお弁当箱を見てそんな事を言った。
「でしょ、お前にはやらないけどな」
なんて言いながら蓋を開けると、一段目には、そぼろご飯。
そして二段目には、ハンバーグとウインナーとフライドポテトとキャベツと人参のサラダ。
そして別添えの小さい容器にはいちごが詰まっていた。
「うわ、いいなハンバーグ!一つくれ!」
なんて裕介は言ってくるけど、元々二つしか無いハンバーグを一つ上げたら僕のおかずが減ってしまう。
しかし、僕だってそこまでケチではない。
「じゃあ、お前の持ってる焼きそばパン、半分と交換で」
「よっしゃ来た~!!!!!」
そう言って、裕介は即座に焼きそばパンを半分に割ると、ハンバーグを物凄い速度でかっさらっていった。
「んま~!!!!!!!」
そしてこの幸せそうな表情である。
「お前のお母さん料理上手だな!うちの母ちゃんなんて全然ダメ、卵焼きを作れば炭になるんだぜ?おかげで俺と父ちゃんの料理スキルが上がる一方でさ」
とハンバーグを口に入れながら喋る裕介。
いや、食べ終わってから喋ろよ。
「じゃあ、家事スキルも上げて、花嫁修業でもすれば?」
「そうね、理想の旦那さんを見つけるのよ!って誰がなるか!!!」
「あはは」
ご飯も美味しいし、裕介は面白い。
全く、最高な昼休みだ。
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