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夢結って、いい匂いするんだよな
オレらの本読みが好評で、またお昼の放送を担当することになった。
リクエスト募集のポスター描こう、ってことになって、放課後、教室に残ってふたりで作業。
夢結と並んで描いてんだけど、この教室…今は、夢結とオレのふたりだけ。
1枚の画用紙に下絵と文字描き終えて、やっと着色するとこ。
割と近くっつーか…夢結とオレ、くっついて作業してる。
夢結はかわいい長袖のTシャツに、膝丈のスカート。
すらっと長い脚も…胸の膨らみも気になる。
そんなのが気になるってのはスケベなのかな、って思うけど…気になるもんは気になる。
オトコってのは、そういうものらしい。
それより夢結ってさ、なんでこんな、いい匂いすんの。
そばにいたら、つい嗅いじゃうんだけど。
「んーっ」
やべ、つい声出ちゃった。
「…桜海くん?」
あー、夢結びっくりさせちゃったよな、ごめん。
いい匂い、って思わず嗅いじゃってたの、バレてねぇ?
「疲れちゃったよね」
「あ、ん…まぁな」
うまくごまかせた?気づいたら嫌がられるよな。
夢結、気づいてなさそーで助かった。
「あと、おうちでやる?」
「あー、そーすっか、下校時間になるもんな」
時計を見ると、そろそろ4時を指すところ。
俺と夢結の、どっちが持ち帰んのかな、と思ってたら
「よかったら…」
夢結のやつ、もじもじしてる。
「…なに」
「…来る?」
「…へ?」
夢結のこと、思わずじっと見つめちゃってた。
「この続き、うちでやらない?」
…は?
突然言われて、固まっちゃったオレ。
だってびっくりだろ。
「あっ、ごめんね急に、あの、イヤならいいの、あたし持って帰って…」
「や、全然!てか、いいの?急に行っても」
思わず、夢結がしゃべってんのさえぎった。
気になる子に誘われて、断るやつなんているか?いねぇよな。
「…桜海くんがヤじゃなかったら、いいよ」
言いながら夢結の顔が赤く見えんのって、気のせい?
「ヤなわけ、マジでいいの?」
「…うん」
行く、と即答したはいいものの、女子の家行くなんて、低学年のとき以来だし、夢結んちだぜ…緊張する。
家ついて、夢結んとこ行く話をしたら、親どうし仲いいらしくて、おやつ持たせられた。
女子んとこ行くってのも話しにくかったのに、仲よくしてるなんて桜海いいとこあるわね、だと。
まだ転校してきたばっかなのに仲いいって、親のネットワークどうなってんだよ。
つーか、オレ…夢結のこと思い出すだけで硬くなっちゃうのに、夢結んち行ってだいじょぶかな。
頼むから大人しくしててくれよ、オレの!!
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