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夢結、ごめん
「…ごめんなさい」
夢結を半べそにしたのは、紛れもなくオレ…
ごめん夢結。
「や、うまかったし…ほんとに」
「…いいよ…無理…しなくて」
まだ俯いたままの夢結をチラッと見たら…
マズい!目に涙浮かべてる。
やべー、どーすりゃ機嫌直る?
「ちげーし、ほんとにうまかったって」
「…いいよ、もう」
夢結の手が止まった。と思ったら、グスッて聞こえる。
夢結泣かすなんて、オレ最低なオトコじゃねーか!!
「あのさ、また…作ってくれる?」
悪かったなって反省して、勇気出してなんとか笑顔で聞いてみた。
「そんな…いいの?」
ゆっくりオレの方見た夢結、涙目。
ごめん夢結!!ほんっと、ごめん!!
「ん、楽しみにしてる」
けど泣き顔もかわいい、って思ってしまうオレ…ひでぇやつなのかな。
「…うん!」
泣きべそだけど、笑ってくれた。
はぁぁ、よかったー!
なんとか仲直りできたよな。
涙顔の夢結がとてつもなくかわいくて
うっかり抱きしめそうになって…慌てた。
「…ポスター、がんばろうね」
「ん、仕上げちゃおーぜ」
涙ぬぐった夢結はほっとしたのか、ちょっとずつ元気になってきて、おしゃべりしながら一緒に塗る。
「夢結、さっきごめんな」
「うん?」
「ゼリー、ほんとはすげぇ好きなの」
ポスター完成したら帰んなきゃなんねーのが残念だな、と思ったら、素直に謝れた。
「ほんとだよ、オレのために作ってくれたのに、さっきのオレ最悪だよな、ほんっとごめん!」
絵筆置いて、頭下げた。
「…おみくん」
顔上げるタイミングわかんねぇ〜!
「また作るから、遊びに来てくれる?」
…もしかして夢結、オレの顔のぞきこんでる?
と思いながら顔上げたら、すぐそこに夢結いて、顔ぶつかりそうになってびっくり!
「…っ」
夢結、赤くなってっけど…どっか触れた?
「…おみくんっ」
夢結、口のあたりに手があるのは、なんで?
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