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順調?
そのキャバクラは某有名な歓楽街にあり、それなりのレベルの容姿とスタイルを有していないと面接には受からないと言われているような店だった。
その当時の私の容姿とスタイルはともかく、私自身はまだ18歳だったから雇われたのではないかな、と考えている。
あとはまあ、中途半端に摂食障害だった為にガリガリで痩せていたので、スタイル的にはOKだったのだろう。
19歳まで後数か月、と言うギリギリ18歳の私だったが、「18歳の子が新人でいる」と言うだけで新規の客が来店したりするものだから、私や、キャバクラで働こうと私を誘ってくれた友人がフリー客には一番はじめにつけられることが多かった。
なんせ顔を売っておかなければならないし、その新規客の中から指名客や場内をくれる客を見つけてひっぱらなければならないのだ。
色々な人に出会ったし、色々な話を聞いたし、色々なことがあった。
目まぐるしい日々の中で、私を指名してお店に来店してくれる客や、場内をくれる客が少しずつ増え始める。
私は「頑張った分だけ目に見える形で報われる」ことが、ただただ嬉しかった。
何より、私はキャストのお姉さんとその指名客のヘルプをこなすことがとてつもなく得意だったのだ。
そのうち、その客は、自分のお目当ての指名のお姉さんが他の客とかぶってしまった時などには、私に場内を入れて、私と話すことを選んでくれるようになった。
もちろん本命である指名のお姉さんがこんなにいい人で、「貴方のことが一番だと言っている、貴方の卓が一番好きだと言っている」なんて、そんな聞いたこともないような話までして、ご機嫌を取る。
後で時間が来れば戻って来るはずである指名のお姉さんには、トイレで客に話した内容をラインで知らせておく。
そんな細かな気配りまで、忘れずに行っていた。
でも、これならばキャストのお姉さんたちから嫌われることもまずない。
この仕事が嫌いではなかったし、キャストのお姉さんたちや男性スタッフたちとの仲も悪くはなかったし、楽しかった記憶もたくさんある。
19歳になる頃には、無事に極太客や太客と言われるような、私の為にたくさん金を遣ってくれる指名客も何名か得ることも出来るようになっていた。
だから、店にもそれなりに貢献出来るようなキャストにはなれていたと思う。
そうなると、男性スタッフからの私に対する接し方も、より良いものへと変化して行った。
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