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首筋にひとしずく、滴り落ちた。
それで夜半に目が覚めた。
視界には枕だけが映っている。うつ伏せに寝るくせがあった。呼吸がしやすいように、無意識に調整された格好だった。
何かのしずくは首の後ろに落ちたのだった。深夜の静寂に馴染んだ耳にぱたり、と音が寄越される。
ーー雨漏りか。
そう思った。思考はいまだ眠りの方に傾いていた。そのまま無視してまた眠ることにする。
長い間隔を開けて、ぱたりとしずくが首を打って伝い落ちた。
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