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 気が付くと俺は病室の天井を眺めていた。意識が戻ったようだ。  それ以来、葉子が現れることは無かった。ちゃんと成仏できたのだろう。  最初は鬱陶しいと思ったけど、なんだか楽しい経験が出来たな。  俺も幽霊になって葉子と毎日デートする、そんな可能性も有ったのかも知れない。だけど俺は死ななかった。葉子の分もしっかり生きてやろう。生身の女の子とデートしてやる。俺は毎日リハビリに励んだ。  3ヶ月のリハビリ期間中に俺は一般病室に移った。ふと気付くと天井の通気口をぼんやりと眺めている、そんなことが多かった。喪失感はなかなか消えなかった。  退院の日。  荷物をまとめて病室から廊下に出た瞬間、後ろから声をかけられた。 「3日だけ私をレンタルしてみませんかぁ」  振り向くとナース服を着た高校生くらいの女の子がニコニコしながら上目遣いで俺の目をじっと見上げてきた。  俺は頬が緩んだ。レンタル契約期間の残り3日が心残りで戻ってきたんだろう。律儀なやつだ。俺の返事は決まってる。 「レンタルします!」  ーーおしまいーー
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