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5
俺たちは昭和感満載の純喫茶から、これまた昭和感満載の古びた遊園地へと移動した。
遊園地にメイド姿、意外としっくり溶け込んで、今度は居心地が良い。
「あっちだよ!」
葉子は観覧車を指さすと早く早くと俺の手を引っ張った。
こ、これは……おじさん、女子高生と手を繋いでます。
「嬉しい?」
い、いや……うん、ちょっと嬉しい。
係員にチケットを渡して観覧車に乗り込んだ。
「なにしてんの?」
「え?」
「こっちに座りなさいよ!向かい合ってどうすんのよ!」
言われた通り葉子の隣に座った。葉子は俺に寄り添うと上目遣いで瞳を潤ませた。
「おじさん……」
これは!このシチュエーションはキスする流れのやつだよね!
「エロいこと考えてるでしょ」
「はへ?」
慌てる俺を見ながら楽しそうに葉子は言った。
「へーん、手玉にとってやった」
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