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「1日だけ私をレンタルしてみませんかぁ」
信号が青に変わり、オフィス街の大通りの横断歩道を渡ろうとしたとき、後ろから声をかけられた。
振り向くと白エプロンに黒メイド服を着た高校生くらいの女の子がニコニコしながら上目遣いで俺の目をじっと見上げてきた。
何故こんな所にメイドコスの女の子が居るんだ?それにレンタル?俺みたいなおっさんにこんな子が声をかけてくるなんて、きっといかがわしい何かで大金をむしり取られるに違いない。俺は無視を決め込むことにした。
「ねーねー、私をレンタルしてくださいよー」
しつこく食い下がってくる。周りの視線も冷ややかだし適当にあしらおう。
こういう時の断り方はこれだ。
「猫耳じゃないから嫌だ」
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