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 俺の置かれている状況はわかった。今からこの子とデートしなきゃならないってことだ。それにしても気になるのはこの女の子の事だ。 「お前は一体何者なんだ?俺と同じで幽体離脱中なのか?」 「違うよ」  女の子の表情が曇った。 「私は(みなと)葉子(ようこ)、幽霊よ。天下無敵の女子高生だったんだけどね、色々あって今は現役女子幽霊よ。でね、この世に未練が有るから成仏出来ずに彷徨ってるの」  いきなり重たい話が来た。 「未練って?」 「いろんなコスプレをして、おじさんを手玉にとること!」  いちいち腹立たしいやつだ。 「なんで俺がターゲットになったんだ?」 「あの雑踏の中で、ピカイチだったからよ」  え、そうなの?あの雑踏の中で俺が一番光り輝いていたの? 「なに照れてんのよ。おじさんがピカイチにしょぼくれてたのよ。だから簡単に私をレンタルしてくれるって思ったのに」  おい、ピカイチの使い方間違ってるぞ。
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