3.争いを止める方法

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 そんな中、本当にほんの一瞬だけ、みんなの息継ぎのタイミングが重なったのか、怒号が途切れた。  その一瞬の隙を狙ったように…。 ぷううう~~、ブブッ 「う…」 「え…」  音がしたほうを見ると、西村さんという60代の男性が、恥ずかしそうに、ちんまりと座っていた。 「今の、西村さん?」 「すみません。ビール飲んだらガスが…」 「あら…、ふふっ…」 「ぷっ」 「わははははは」 「あははははは」  全員が笑い出して、西村さんも「えへへ」と笑う。ついでにプウっと、追加の一発を放出する。 「えっ、もう一発?!」 「窓開けて」 「ははは」  すかさず、市の職員の一人が声を張り上げた。 「後日、改めて反省会を開きます。今日は皆さんもお疲れでしょうから、この場は和やかに…」  この後は、みんな「まあまあ」なんて言いながら、大人しくビールを飲んでいた。戦意を喪失したのだ。  西村さん、あれ、絶対にわざとだよな。  あそこでああいうことができるのは、自分しかいないと思ってやったのだろうか。  それとも、そこまでではなく、たまたま思い付いて、軽い気持ちでやったのか。  真相は分からない。  しかし、いずれにせよ、なかなかできることではない。  今回のことで、僕の中の、西村さんに対する評価は、大きく変化した。 (完)
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