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3.争いを止める方法
この3連休に開催された市民祭りは、まあまあ盛況だった。
市民合唱団やダンスサークルによるステージ発表、市内で生産された野菜などの直売、チャリティーバザーなどなど。
僕は市役所の職員で、この祭りの実行委員会のメンバーの一人である。担当は農産物や特産品の直売所だ。
市民祭りは3時半で終了した。
そして今は、直売所で働いてくれた人達で打ち上げを行っているのだが…。
「アンタが無責任だからいけないんだ!」
「無責任なのはそっちだろう!」
一部の人達の間で、険悪な空気が漂っていた。
市民祭り中、大きなトラブル等はなかったのだが、直売所で働いていた人達の間でいろいろあったようだ。
「だから、なんでそうなるんだ」
「そっちはそれで良かったんだろうけど、こっちにしわ寄せがきたんです」
「それは絶対に違う」
複数が入り乱れての口論が、争いごとに発展しそうになっている。
「みなさん、落ち着きましょう」
「後日、改めて話し合いの時間を取りますので…」
「こういう人には、はっきり言わないとダメなんですよ!」
「あんたらのせいで、どんなに迷惑したことか」
実行委員の中には、僕のような市の職員も何人かいる。主にそれらの市職員が仲裁に回るも、激論を交わしている人達は頭に血がのぼっているようで、全く聞く耳を持たない。
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