想い出が褪せる頃

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はやる気持ちを悟られないようにと思いつつ涼真と二人でベッドに腰を掛けキスの続きを始めるが、涼真も俺も もうお互い痛いほど硬く張り詰めていた。 「一回抜くか…」 ベッドを降りて涼真の前に膝まづいて天を仰ぐ涼真の熱に唇を寄せた。 …チュッチュッ、と割れ目にもキスをして…手を添えながらべロリと舐める。 「あ…!うぅ…ン…」 ビクッと身体が揺れ、閉じようとする涼真の脚に力がこもった。 だが俺の身体で涼真の膝頭を無理くり開いているせいで絶対に脚を閉じる事は出来ない。 「気持ちい?」 口を離して見上げれば涼真は手のひらで口元を覆い俺を見下ろす。 …我慢なんてしなくていいのに。 「今日は…今日くらいは声、聞かせて…」 「…ん…」 そう言うと涼真の手が降りてきて俺の髪を撫ぜた。 「あ…あぁ…それ…ぁン!」 舐め上げながら双実を揉みしだく。 でもこれだけじゃイけない。 塗れてひくつくそれを口に含み、舐めて、吸って…手で扱いた。 「つよい…あ…もう…」 スピードを上げて刺激を強くしていくと涼真の手で髪をもみくちゃにされ頭をグイッと引き寄せられた。 「あ!ぁ…あン…」 熱い迸りを俺に吐き出して、涼真がベッドに倒れた。 青くて苦い、涼真の味。 俺はそれを躊躇いもなく嚥下した。 「…いっぱい出たな」 「だって…気持ちよすぎ…」 横たわる涼真の隣りにそっと身体を並べて寝転んだまま抱きしめ、その汗ばんだ身体を舌と手のひらで辿る。 「俺の上に身体乗せて?」 「こう?」 涼真と重なる身体。 「重いだろ?」 「平気」 「でも…あ!そこ…ヤダ…こんな格好で…郁弥ぁ…」 仰向けに寝転がり涼真に体を跨がせて尻の割れ目に指を這わせた。 いくら自分でそこを慰めていても羞恥はなくらないようだ。 「ね、そこのボトルの葢開けて」 「これ…?」 ベッドのすぐ近くの…見るからにいかがわしいピンク色のボトル。 「俺の手にちょうだい」 ヘッドボードに置いたローションを手のひらに出してもらって両手に纏わせた。 指先で皺を伸ばすように後孔を撫でればすぐに入口は緩んで俺の指を迎え入れる。 そういう風にした。 俺が。 真咲がいる手前、挿入はあの日以来していなかった。 俺は大丈夫だと思ったが涼真が酷く真咲の事を気にした。 親だから当然と言えばそうだが…そんな涼真の意思を尊重していつもは身体に触れるか一緒に抜くか、それだけ。 ただ、俺は来るべき日に備えて開発だけは怠らなかった。 あちこちを執拗に触り、涼真に期待させる。 耳も首筋も胸も…後孔も。 涼真はもともとソロプレイで弄っていたようだからどこも反応が良く、その分俺より涼真の方が我慢するの大変だったんじゃないかな、って思う。 でも、涼真の意思は硬くて…チャンスがあっても長い期間挿入するセックスをしようとしなかった。 「郁弥…いつまでも焦らすな…」 「ん、…ゴメン。もうちょっと…」 つぷつぷと指を出し入れするだけじゃ物足りないなんて…愛おしい欲張りだろ? 指を増やして粘膜を広げるように動かす。 「ん…もっと…おく…」 指を広げてぐちゅぐちゅと掻き混ぜてるように壁を擦れば涼真の腰も快楽を貪るように動き出した。 「あ…もっと…激しく…ン、そ…こ…」 俺の体を跨いで腰を揺らしている涼真の乳首にそっと舌を伸ばした。 ベロンと舐めて、チュウッと吸う。 「や…ぁ!」 嫌と言う言葉と裏腹に胸を押し付けてくれば、これはもう噛んでも良いっていう催促としか思えなかった。
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