想い出が褪せる頃

48/160
前へ
/160ページ
次へ
お望み通りにカリッと前歯で噛み、舌先で擽る。 「あっ!ン…」 途端に温かな感触。 「も…うぅ…」 「そんなに気持ち良かった?」 体を半分宙に浮かせ知らない、と呟いた横顔が可愛くて背中に回した腕に力を入れた。 「うわ!体に付いた…」 ベチャッとする不快な感触から逃れようと涼真は両手で体を押し返してくる。 「涼真が…わるい…」 …だって、そんなに反応してくれる。 もう…、と呟く涼真についブツブツと言い返した。 「…反応が、いちいち可愛いから…」 「それ、郁弥フィルターがおかしいんだ」 涼真は笑ってそう言うが、おかしくなんて…ない。 だってどんな姿も可愛いから。 「ほら、繋がろ」 俺の腕を解いて身体を起こし、涼真は俺の腰に跨ってゆっくりと身体を沈める。 「…ん…あぁ…そこ…ダメ…」 降りかけの身体が止まって、涼真の様子が少しおかしい。 「あ…ぁン…」 「痛い?」 あんなに解したのに? 「…く、ない…」 腰を下ろしたり上げたりと浅い所の往復。 掠める気持ちよさが辛くなり、俺は涼真の腰に手をかけて勢いよく下に引いた。 「あ…や…無理だから…ぁ!」 俺に深く跨る涼真の身体は大きく後ろに反り、細い身体がしなやかに揺れる。 俺は涼真の腰を掴んだまま体を揺さぶり、大きく反り返った涼真を突き上げるように動いた。 「ダ…メ…あ…!よ…すぎぃ…」 ダメと言いながらも俺の動きに合わせるように涼真の腰が動きだした。 「あ…いく…や…ダメだっ…て…当たって…いぃ…ぅ…!」 「いいから…俺で…気持ち良くなって…涼真!」 髪を振り乱して跳ねる身体。 ね…俺で、イッて…。 過ぎる快感に流されぬよう歯を食いしばって涼真を突き上げた。 「あ…い、いく…!ね…俺…あぁぁ…!」 「ん…くッ…!」 顔も体も赤く色づいた涼真から迸る白い欲望。 「あ…んん…」 脱力して再び俺の胸に倒れ込んだ涼真の髪を撫で、息の上がるこのひとを愛しいと思った。 「少し体ずらせる?」 何がしたいのか察した涼真は胸を反らして体をずらす。 涼真が吐き出したアレ…。 シュッとティッシュを引き出して涼真と自分の身体を拭いた。 「…俺ばっか…してもらって…」 「いいんだ…。気持ちよかった?」 「郁弥も…俺で気持ちく…なってよ…」 「うん…」 悩ましげに視線を寄越し、誘うように俺の下肢に脚を絡ませる。 「本当は…相当ヤバい…」 「うん、知ってる。ガチガチじゃん」 「…辛かったら教えて…」 体勢を入れ替えて、今度は俺が涼真の身体の上に身体を重ねた。 見つめあって、焦らすようにキスをして…。 それからお互いの舌を絡ませ……口腔を貪って涼真の脚を抱えあげる。 「郁弥…ほら…」 指でそこを開き、俺を煽る涼真。 …もう、優しくなんて、出来ない。 「酷くしたら…ゴメン…」 俺は一気に腰を進めた。 「あッ…ン…!」 バチンと肌がぶつかり、涼真が震える。 粘膜の壁を擦り、奥へ奥へと身体を進めた。 「あ…いく…そんな…強い…ンンッ!」 薄い身体をしならせて喉を見せる。 …全部欲しい…。 …ずっと欲しかった…。 …ずっと俺だけの… 「…そんな姿…誰に…見せたんだよ…」 過去の恋人にまで嫉妬する。 「俺だけに…しろよ…」 「あ…ぁ…いく…そこ…あ…!」 ゴリゴリと奥を抉って、腰を打ち付けるスピードをあげた。 「涼真…りょ…好き…愛して…ン…!」 「あッ…!」 胎が痙攣したように収縮して締め付けられ、俺は涼真の胎に熱い欲望を放った…。
/160ページ

最初のコメントを投稿しよう!

480人が本棚に入れています
本棚に追加