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室内にはカーテン越しに柔らかな日が差し込み、太陽はもうすっかりと登っていて朝というには遅い時間。
俺は飽きること無く愛しい人の寝顔を見つめていた。
そんな俺の視線が刺さったのか、涼真の目が薄らと開いた。
「…んん…?」
「おはよ、涼真」
布団の中から俺の顔を見てもまだ目が開ききらない涼真。
…可愛い。
ぼんやりしていたから涼真の脚の間に片足を滑り込ませてみた。
するとみるみる赤くなる顔色。
「郁弥…おは…よ…」
挨拶の途中で目を逸らすのは おはチュンだから?
「どっか痛いとか…ある?」
「な…ない…」
掛け布団にしがみつく姿もいいんだけど…
「顔、見せてよ…」
「恥ずかしい…」
「今更だろ?」
そう言えば責めるような目で俺を見る。
だが布団を掴む手を緩めた隙にサッと捲って唇にキスをした。
「あッ…ん…」
くちゅくちゅと音をさせて起き抜けの涼真にディープなキスをすると涼真は何の抵抗も無くそれに応えてくれた。
「ね、もう少しゴロゴロしたらさ、朝飯…いや、もう昼飯だな…食ってまたイチャイチャしよう」
握っていた布団から指を離させ、代わりに俺の指を掴ませた。
我ながら子供じみてるけど、今ならいいだろ?
「…ん。郁弥…何かこーゆーの慣れてんね」
「え?」
「女の子とも付き合ってたし…今までにもしてたんだよね…」
一瞬、目が点になる…。
涼真にしかした事ねぇし、と心の中で反論した。
…ていうか、コレって…いわゆる…
「…ヤキモチとか?」
「…悪いかよ…」
せっかく俺の指を握らせたのに、再び掛け布団を掴んですっぽりと布団の中に隠れてしまった。
「…無いよ、誰にでもして無いから出てきて」
布団の上からポンポンすると目だけ出してジト目で俺を見る。
「涼真だって…誰かとイチャイチャした事くらいあるだろ?」
「……」
軽い気持ちで言ったのに、涼真は黙ってしまった。
まあね、とか言って切り返してくれればよかったのに。
さっきまでの甘〜い空気が、どんよりと重い。
いやいや、涼真は一度結婚している。
故に俺より人生経験豊富なのは間違いない。
「…だって咲百合は?」
「…ない…無いんだ」
頭の中に?マーク。
そう言えば ”こーゆー事も “ ” 誰かと付き合った事ない” って言ってたのは…相手が男の俺だからじゃなくて…もしかして…
「涼真、それって…どういう事?」
被っていた布団をゆっくりとどかし、涼真は何とも悲しそうな顔を俺に向けていた。
「本当は最初に言うべきだった…」
ゆっくり体を起こし立ち上がると涼真は辺りに散らばっていた衣服を拾い、ゆっくりと身に付けてベッドの端に座った。
「何から言えばいいんだろ…俺と咲百合の事…。全部郁弥に聞いて欲しい」
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