想い出が褪せる頃

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息を詰めて見守る俺は…敏感なそこに濡れた感触を当てられて否応もなく身体が期待する。 「あ…涼真…ンン…」 涼真の唇は躊躇うことなく先端にキスをし、次いで舌がたどたどしい動きでそこを舐めた。 ペロペロと子供が飴を舐めるようなそんな仕草なのでそれだけではイケないが視覚的には充分ヤバい。 …俺のに…涼真の唇が… 興奮して自身が硬く張り詰めていく。 「手も…使って…ン…!」 そう言うと左手は先走りを纏わせた手のひらで俺を扱き、右手はぶら下がりをやわやわと揉み始めた。 「あ…ぁ…」 目眩がするほど…全方向から気持ち良さが…ダメ…もう…いや、ガマン…ガマン…。 そう思って堪えていたのに、涼真が俺を口の中に迎え入れジュブジュブと口淫しだした。 柔らかくて温かくて時々吸われる…何よりも見た目がマジエロい…。 ガン見していた俺は涼真と視線が合い、見上げてくるその奉仕姿にゾクッと腰が震える。 …あ、ヤバ…。 「も…出るから、離して…」 さすがに口の中に出すのはマズイと涼真の頭をグイッと押して離そうとした。 「……んぁ…!」 だが遠ざけようとした動きにさらに刺激されて間に合わず… 俺は涼真の顔に体液をぶっ掛けてしまった。 肉体的な爽快感と涼真を汚す背徳感…これはマジで…、 …じゃない! 「…ゴ、ゴメン!ティッシュ!」 アワアワとしながら三枚引き抜いて白濁に塗れた涼真の顔を拭こうと近寄ると、涼真の表情が何かおかしい。 「…はぁ…あ…きもちい…」 どろりとした白濁が涼真の頬や唇を汚し、顎を伝って流れ落ちた。 …あ… …この感じ… …ヤバいだろ…。 いやいやいや、悦に入ってる場合じゃない! 涼真に…よりにもよってとんでもないモノをぶっ掛けてしまったのに、当の涼真は目がトロンとして、ちょっとおかしい…。 …もしや…感じてる…? そう思っていたら、涼真からまさかの一言が。 「コレ…いいな…」 「…え?」 奉仕?それとも掛けられちゃう方? 「 郁弥をイカせて…コレ浴びるの…」 両方か! 「ンな事言ってないで目閉じて」 「ん…ぁ…あン…」 そんなに気持ちよさそうにしちゃって…。 顔拭いてるだけなのに、こっちまで当てられる。 「郁弥の事気持ち良くしたくて、夢中で…」 視線が合わないように目を逸らして喋る涼真。 「…郁弥の被ったら…温かくて…その…郁弥の濃い匂いがして…何だか気持ち良くなっちゃって…」 顔を俯かせて、さらに下に向けてモジモジとするのは照れているのか。 「気持ち良くなってる俺で…しかも掛けられても?」 俺を見上げるように顎を掬って見れば涼真は頬を赤らめ目つきはトロンとしたまま。 こんなに可愛いのに……でも涼真はその先を期待してくれてる…。 「俺が気持ち良くなってるの見て自分も気持ち良くなっちゃうの?」 「…ぅん…」 聞けば恥ずかしそうに小さく頷く。 「涼真が俺を気持ちよくして出したのが掛かっても…気持ちいいの?」 「……ん…」 耳まで赤く色付いて…泣きそうな…欲しがっているような…可愛い涼真。 「…俺が…欲しい…?」 「…うん」 「ちゃんと言って」 涼真の言葉で、俺を欲しがって。 「郁弥が…欲しい…俺に頂戴」 「いいよ、全部あげる。涼真がいらないって言っても全部あげる」 涼真とベッドに転び唇を重ねた。 さりげなく両手を恋人繋ぎにして、舌は深く互いを求める。 上顎も舌の根も隅々まで味わって、それから互いに上衣を脱がしあった。 「涼真、おいで」 仰向けで寝転がり、裸の涼真を抱きしめる。 温かな肌は汗ばんでいて、俺は首元に鼻を埋めてその匂いを胸いっぱい吸い込んだ。 「涼真いい匂い…」 「…ふぁ…ァ…」 すんすんと匂いを嗅ぐだけで腕の中の涼真は小さく震えた。 粟立つ肌に唇を這わす。 「あ…舐めちゃ…ゃあ…」 「何で?気持ちいいでしょ?」 「…それ…ぁ…」 俺の体の上で身体を硬くして見悶える涼真。 俺は構わず滑らかな首筋から鎖骨をねっとりと味わう。 「…ン…い…くやぁ…」 俺に跨る涼真の身体が撓(しな)り腹に当たる涼真の情熱。 耳元で涼真が気持ち良さげな声を出すから俺だって負けじとまた硬く張り詰めてしまう。 抱きしめていた腕を緩め、そっと囁いた。 「ねぇ、柔らかくするから…それ取って」 「…うん」 手渡されたボトルの中身を手に取り、双丘の間にある熱い窄みに触れた。
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