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信号機3
惚気てニヤけた顔も、見たことないアクセサリーも、誰か好みに少しずつ変わって行く髪型や髪色、それに服装だって、全部私はどうだっていい。
そう言い聞かせて、その度に「寂しいな」なんて言葉が私のことを素直に責める。
だって本当は、まだ見慣れない、色の抜かれたふんわりとしたその柔らかそうに巻かれた髪を見ても、長くて形の良い爪を彩るラメ入りの淡いピンクのマニキュアを見ても、私の知らない誰かの為の、一生懸命や楽しい気持ち、そういうの全部が、私の心臓をぎゅう、っと押しつぶすから。
厄介じゃない?心とかって、ない方がいいんじゃないの?
そう言う良く聞くセリフそのまんま思って、机に伏して寝たふりをして一日を過ごす。
わざわざまた、あの子と待ち合わせをすることのなくなった放課後を待つ為に。
他の友達たちが、ギリギリ付き合ってくれる夕方の終わり、星が見え始める時間が訪れて、家路につかなければならなくなるまで、せめて一人きりで過ごさなくて済むようにと。
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